やまなし、オチなし、意味なしとある分野は言われるが、実際こちら側はホットである
そんななかでも記事を探していましたがなかなかありませんね。オタク関連記事は貴重だと改めて思いましたし、日本では注目どころか「普通」扱いすらされてないと推察しました。私は別に構わないのですが、「一般人」に対する武器や考えるための資料や材料は欲しいです。
こちら側で研究している人の声もそんなわけで表にはなかなか出てきません。例によって2012年の記事に頼ります。
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/internetcom/20120306-OYT8T00426.htm
当然のことながら1年以上前なので削除されているので、中身の紹介をメインに見てみます。
「インターネットの普及とそれに伴ういわゆる同人誌市場(N 次創作市場)の拡大によって進化や発展を遂げている日本のマンガ、アニメ、ゲームなどのキャラクター文化の現状分析」と今後の(希望的)展開についての講演で、「こちら側」の研究者が意見交換したのです。要するにオタク文化について小難しく語ったということです。
森川嘉一郎と濱野智史の発表が参考になるのでそれについて引用します。コミケについて森川は「ここ数年で参加者が110万人に増加している事を指摘。「コミックマーケット」の存在が、アニメやマンガのキャラクターを自分の趣味趣向で描く「同人誌」などを共有する場として機能し、また同時に同人文化の繋がる場として役割を果たしてきたと」分析し、今の秋葉原を「コミックマーケット同様同人誌の流通の場として拡大し、同人文化を支え、クリエーターを育てる場」であるとも述べました。
「こちら側」の人間にとってはすごくあたりまえのことですが、非オタクや「一般人」にはこのレベルから説明しなければならないのです。まあ「一般人」への説明は不要ですね。
森川は「同人誌」はコミケとアキバによって育ってきたと言いたいのです。知らない人はいないと思いますが、森川はとりわけこの分野に詳しい人です。もっとこういう人が出てきてほしいです。
濱野はネット系のオタク文化に詳しい人です。「アーキテクチャ」や情報社会論の分野の若手リベラル論客です。
彼は同講演でニコニコ動画について語り、そこには「同人誌などに見られる2次創作ではなく、音楽、映像、コスプレ、ダンスなど複数の次元に創作の形態が派生する「N 次創作」の広がりがあると分析」しました。
2007年頃からニコニコ動画にデスクトップミュージックソフトのキャラクター「初音ミク」が登場したことにより、「N 次創作」のビッグバンが起こったと指摘した。また「ニコニコ動画」の実況式のコメントが、視聴者の疑似的な同期性を提供し、「お祭り」的にその場の盛り上がり感を共有できる場になった
濱野の得意分野が上記の引用内に出ています。詳細は彼の著書を見ればいいとして、ここでも「場」が出てきています。森川も濱野も「場」を重要視していますね。「場」が無ければ同人誌も初音ミクもなかったのです。
各々のミクロは話はここでは置いておいても、「場」あるいは「機会」すら十分に整備されていないまま進んでしまっている事が「こちら側」には沢山あります。声優の固定化や「タレント化・アイドル化」もそのうちの一つだと私は思っています。
山あり谷ありで議論や思考する価値のある、非常に難解で熱い日本の一つの文化がオタク文化なのです。
「木を見て森を見ず」ではいけません。私は広く物事を見なければならないと思っています。
全ての話は繋がるのです。まずは根本的な問題を少しずつ考えていかなければなりません。
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Category: オタク系
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